寧々の本棚〜ねこのしっぽ*うさぎの耳〜

おうちでのんびりゆるっとブックカフェ

うさぎになった日

 

『うさぎになった日』

村中季衣  しらとあきこ

 

仕事の休憩中に近くの図書館でみつけて借りました

 

表紙の絵もそうだけど

ページをめくるとそこには温かさにあふれ

優しさが詰まった絵がたくさん…

4つの小さなお話と3つの詩も素敵

恥ずかしがりやの女の子、過ちを犯した男の子

葛藤を抱えた子どもや大人が優しい言葉で描かれています。

 

 

『うさぎ うさぎ よわいからってつよくないわけじゃない よわいからこそつよいことだってある。だれにでも心の中にうさぎがいる』

 

 

 

弱くても…

弱いから強いうさぎ

 

誰にだって自分の心の中にある弱いところ

それとちゃんと向き合って知ること、認めることによって強くなれる

子どもの頃に経験して感じたことのある気もち

ずっと記憶の片隅にあったけどこの本を読んでまた思い出しました

 

小さなお話と詩 そして絵が

ジーンと心に沁みます

そして心に沁みた後は

明日からまた頑張ろうって

ひとつのお話が終わる度に そう思えます

 

もうすぐ図書館に返却しなくてはいけません

 

これはずっと手もとにおいておきたいので

買おうと思います

 

パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら

 

 

パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら

中島たい子

 

 

表紙とタイトルがオシャレ

この作家さん 以前「漢方小説」を読みました

今回は中島さんがパリの叔母ロザリーヌさんの家に居候した時の様子を書いたエッセイ

 

 

まず フランス人って服を10着しか持ってないイメージだったけど…違うんだ…(笑)

 

フランスでの暮らしについて描かれていて

どの話も叔母のロザリーヌさんの自然体な生活スタイルがとても素敵に描かれています

古本を自分で修繕したり、カーテンを作ったり

古いものに価値をみいだす考え方

「こうした方が素敵」っていう自分の考えやアイデアが暮らしのありとあらゆるところに取り入れられていて…

いいなぁ…

やっぱり国が違うからなのか、ロザリーヌさんの性格なのか 他人からの目、人からどうみられているかとか、これはこうでなくっちゃいけない…っていうのがないみたいで…

自由に生きてる人なんだなぁ

自由って色んなことを「自分で決められる」っていうことなんだね

 

中島たい子さんがこのエッセイの最後に

〜最後はやはり彼女の言葉で終わろうとメールで質問を投げてみた「日々の生活でどのようなときに幸せを感じますか?」〜

 

そして叔母ロザリーヌさんから返ってきたメッセージ

これがほんとに素敵すぎる

あぁ…これこそが幸せなんだな…

これを普通に言えるロザリーヌさんって

やっぱり素敵な人

 

私にもロザリーヌ叔母さんみたいな人がいたらよかったのに…

 

 

 

 

 

 

全イエガスキーが待ちわびた1冊

 

全イエガスキーが待ちわびた1冊

 

『家が好きな人』

この本のタイトルを見かけた時

「ん?呼んだ?」って思うくらい

イエガスキーな私

帯には堂々と「自分の家が一番好き」…と

 

 

 

 

今日も今日という日が紡がれる。楽しかった日も

そうじゃない日も いつでもここは温かく包み込んでくれる 日常に散らばるたくさんの幸せ。

5人の女性の家での1日の過ごし方がキレイなイラストと淡い色で描かれています。

それぞれの家の間取り、家具の配置やチョイスにもその人らしさがでていて…

あ〜この人だったらこんな感じの部屋なんだろうな…と妙に納得…

 

 

いいよね…好きなものがつまった部屋

 

たくさんの本とお気に入りのソファーとぬいぐるみ

小さなテーブルにはiPadと手帳

ソファーに座るペットの猫とうさぎ

ここで本を読む…

これ以上のシアワセはないと思う…

 

 

イエガスキーな私にはブラボーな1冊

毎晩眺めてます

 

 

 

 

これは絶対 冬に読みたいやつ

 

 

『絵描きの植田さん』

いしいしんじ  植田真

 

真っ白な表紙に何色かの絵の具

手描きのタイトルの文字

とっても静けさを感じる表紙

 

 

物語は悲しくて辛い場面から始まります。

不慮の事故で聴覚と恋人を失ってしまう植田さん

画材一式と少しの着替えを持って都会から遠く離れた

高原の一軒家に引っ越した

そこで出会うヒゲのオシダさん、定食屋のだんなさんとおかみさん、隣に越してきた林イルマとメリ母娘

 

 

これ…冬に読めばよかった

冬のお話です。わたしの好きな冬から春にかけて…

全体を通してすごく静かなお話

心に傷を負って音のない世界で暮らしてる植田さんがまわりの人たちや少女メリの素直な心にふれて

植田さんの傷ついた心が次第に柔らかくなっていくのを感じられます。

高原の山に積もった雪や凍った湖が春が近づいてだんだん解けていくのと、植田さんの心が溶けていく様子の描写に感動…

 

でてくる人全部があたたかい心を持った人

それが寒い冬の舞台にすごくあっていて…

冬なのに暖かい…いや冬だから暖かい…かな…

 

 

私も右耳が聴こえず、まわりの人よりは少し静かな世界に暮らしています。

植田さんのように辛くて悲しい過去はないけれど

静かな世界で暮らしてる描写はとてもよくわかりました

 

静かで無色をイメージさせるお話だけど(本の紙質や色や空白のせいかなぁ)なぜか花の色や鳥の声を想像させるような不思議な世界

 

読み終わってからずっとスピッツ

『優しいあの子』が脳内再生されてます

なぜだろう…

 

 

これ…絶対 もう一度 冬に読みます

 

 

春の終わりに『はるになると』

 

実は 春は好きじゃない

何か新しいことが始まるのって結構しんどい

↑(心の声)

 

 

可愛いイラストと はるのことば 

はるがたくさんつまった本

 

訳者の小川糸さんが

〜春はとてもすてきな季節〜中略〜生きていくことも

同じかもしれません。たとえどんなにつらいことがあってもいつか必ず春はやってくるのです…

…と語ってみえます

 

 

冬が好きな私は春がちょっと苦手

新しいことが始まる春、新しい環境、新しい顔ぶれ

緊張しながら通う道

でもこの本は 春はいたるところに命が芽吹く、

ありとあらゆる風景が、世界中が

魔法のように生まれ変わる…と

私たち人間だけじゃなく 森や野原、草花や動物

 

小さな虫までもが呼吸を始める…

 

 

そうだよね…春って愛と希望にあふれてるんだよね

 

 

最後のページに

はるというまっさらなノートにあなたはどんな夢を描くのかしら…

 

 

そうだなぁ…

私はだったら 小さなミニバスにたくさんのお気に入りの本を積んで 相棒のラテとチャイを連れて

公園やキャンパスでお店をだしてる自分…

 

 

春があまり好きじゃなかったけど

春が少し好きになった…少し憂鬱じゃなくなった

きっかけをくれた1冊

 

 

もう 春も終わっちゃうけど

 

『はるになると』

ぜひ 読んでみてください

 

読むと誰かに話したくなるミステリー

 休みの日に 家から一歩も出ずに

1日かけて読みました

 

あまりにも有名すぎて 今さらですが

 

 

十角館の殺人』 綾辻行人さん

 

 

 

読んだら絶対に誰かに話したくなるミステリー

(個人的に)

 

十角形の奇妙な館が建つ孤島へ

大学のミス研のメンバー7人で訪れる

十角館を建てたのは建築家の中村青司

この中村青司は半年前に炎上した別の館で焼死したという曰くつき…

そこでひとりひとりミス研のメンバーが殺されていき…

 

ミステリーやサスペンスはちょっと苦手だけど

これは読みやすい

途中までは某探偵アニメの初期の頃の映像を観てるような気持ちで読みました

それにしても ここに出てくる大学生はほんとに学生かよっていうくらい大人だなぁ…

 

読み進めていき館に残ってるメンバーも少なくなっていくにつれて

あれ?このままどうやって終わるんだろう…

途中であいつが怪しいんだが…と思いながら

物語の終盤

あれ?終わり? 結局それで解決?と思ってあるページをめくって最初の1行をみた時

「ふぅん…えっ?えぇぇぇぇっ??」

っていう衝撃…2度見、3度見する勢い

途中ね…怪しいと思ったのよ…えっと…こっちの…

いや、あんまり話すとネタバレになってしまうから…

 

たった1行で ひとことで 世界が変わった

謎解きのもっとも短いひと言なんじゃないのかってくらい

それも 普通の会話の中で…

例えば「コーヒーにミルクと砂糖入れる?」

「いや…なしで…」

こんな感じで全ての謎が…

そしてプロローグとエピローグ

 

これはおもしろかった

いっきに読みました

そして読んだら誰かに話したくなるストーリー

手当たり次第「ねぇ 十角館の殺人読んだ?」

ってきいてまわってる(笑)

 

このシリーズ 他にもあるみたい

順番に読んでみようっと…

 

 

 

 

卵と小麦粉それからマドレーヌ

 

タイトルが気になって購入

表紙も可愛い

児童書の分類になるのかなぁ…

 

 

 

中学校に入学したばかりの菜穂は

「もう子どもじゃないって思ったときっていつだった?」と話しかけてきた亜矢と仲良くなる

…ところからお話が始まります

さらに 菜穂が13歳の誕生日を迎えた日

ママが爆弾発言を…

 

 

主人公の菜穂のまわりの友だちがいい子ばかりで

長く長く大切にしてほしいなと思いました

中学1年生にしては みんなしっかりしてる印象

 

友だちにかけることばも

「なに言ってるの、変わるのは菜穂…あなたよ」

このセリフを友だちのために言える亜矢ちゃん

ブラボーすぎる

 

 

そして菜穂も

「誰よりも自分のために亜矢が変わったように、わたしはわたしで自分のために変わらなきゃ」…と

 

児童向けの本なので大人が思うような過酷な現実とかはでてこないけど

こうして毎日の日々を送るなかで、ふだんのちょっとした嬉しかったことや助け合い支えあったこと…

それが日常を過ごす上で一番大切なことなんじゃないかな…と気づかせてくれる1冊

 

菜穂、亜矢ちゃん マユコちゃん

この3人の何年か後の話も読んでみたいなぁ

 

ガラスの靴も赤い靴も両方手に入れた

菜穂のママみたいな生き方

スゴく憧れる

児童書の分類だけど

大人でも充分楽しめるし考えさせられました。