寧々の本棚〜ねこのしっぽ*うさぎの耳〜

おうちでのんびりゆるっとブックカフェ

あなたと食べたフィナンシェ

 

仕事の休憩時間に行った職場近くの図書館

 

まだできたばかりで

綺麗で本のディスプレイの仕方もオシャレ…

 

居心地もよく 仕事が休みの日でも通ってしまう

お気に入りの空間…

 

加藤千恵さんの

『あなたと食べたフィナンシェ』

ほんとはこの作家さんの別の本を探してたけど

なかったのでこちらを…

 

 

表紙の色がスゴく素敵

角っこがホロっと崩れてるフィナンシェの絵も…

 

 

ー人生の忘れられない場面には

  必ず食べ物の記憶があったー

珠玉のショートストーリーと短歌集

人生の忘れられない場面…恋の始まりだったり、

大切な人との出会い、お別れ

何かを決めた日、何かをやめた日

ショートストーリーなのですぐに読めるけど

内容は食べ物とその時の情景や気もちが丁寧に描かれていました。

タイトルも食べ物のタイトルに加えもうひとつのタイトルがついていて、もうひとつのタイトルは物語を読むと『あ〜そうなのね…』とひとりうなづきながら読みました

それぞれ添えられてる短歌も素敵で

 

グラス持つ 指をみていた嘘じゃない

 ほんとのことを隠してるだけ

↑これめっちゃいい

 

他にも泣きたくなるような短歌がたくさん

 

 

 

 

 

短歌ってスゴいね

こんな短い文で雨なのか晴れてるのか

明るいのか暗いのか

悲しみや淋しさ、嬉しさ 後悔

あらゆるものを表すことができる

何ならその後ろにある音が聴こえたり香りが漂ったりしてしまう…

 

短歌を詠める作家さんって素晴らしい

繊細に季節の移り変わりや人の表情やしぐさ、言葉

ちょっとしたことに気づきそれを言葉にできる…

 

私もそんな人になりたいな…

 

 

 

天使のみつけかた

 

天使のみつけかた

 

目に見えないけど あるもの…

声だったり、いろんな気もち

ため息、夢やときめき

心の中のもうひとりの自分

誰にも言わないヒミツ…

出会い、お別れ…

 

毎日起こる何か

その何かが全て天使のしわざだと思えたら…

世界が変わる気がする

 

 

いいことや不思議なことが起きたら

天使に「ありがとう」

イヤなことが起きたら 

今きっと天使が見守ってくれてるはず…

そう思ったら少し頑張れる気がする

 

 

普段の生活の中でほんとに何気ないことが

起きた時…

風が吹いて落ち葉が舞うとか…

飲みかけのコーヒーがこぼれたとか…

そんな時 すぐそばに天使がいると思うと

クスっと笑ってしまうような…

そんな心の余裕がもてる気がする…

 

この本のように こんなふうに自分のまわりや毎日、そして世界をみること、思うことができたら

きっと楽しい毎日になる気がして…

 

目に見えないけどあるもの…

それに天使という名前をつけることで(ため息天使とか)

その目に見えないものをより強く感じることができるような…

 

これから 毎日 少しずつでも天使をみつけられるといいな

 

 

ヴァンゴッホカフェ

 

 

 

「ヴァンゴッホカフェ」

 

児童書の括りになってます

 

 

まず…表紙がオシャレ

 

 

そしてタイトル

 

 

カンザス州のフラワーズの町

そこはもと劇場だった建物の片隅にある

「ヴァンゴッホカフェ」

このカフェにやってるのは若い父親マークとその娘のクララ

お客は町の常連さん

お店でいつも流れてるのは

「おかえり、ここはきみの家」

 

時々 魔法がかかる不思議なカフェ

 

 

お話は七つ

どれも素敵で アメリカの古い映画を観てるよう…

「いなびかり」では どことなくマザーグースを思わせるような詩がでてきたり

 

「スター」というお話では

時は12月 店内ではいつもの

「おかえり、ここはきみの家」ではなく

この季節限定の

な、な、なんと…

ナットキングコールの「きよしこの夜」

 

こんなところでキングコールの文字を目にするなんて

歓喜

 

この「スター」というお話

どこを切り取っても映画のワンシーンのようで…

余韻がスゴい

 

スターは写真に写ってる古い友人に会えたのね

そしてその迎えに来た友人と一緒に来た道を辿って帰って行ったのね…

…と思わせるような結末

 

悲しいけれど心が温まりました

 

児童書に括ってしまうのはもったいない…

宝物にしたい1冊です

 

台所のラジオ

 

『台所のラジオ』 吉田篤弘

 

全部で12編の物語

登場人物は何かしらの悩みや思いを抱えて

何かがひっかかってる日々…

それが日常の普段の中にある物によって

気づきほぐされていくストーリー

 

その普段の中にあるものは人によって

ソースの味だったり、ラジオから流れてくる声だったり、昔通った場所だったり…

 

 

 

 

 

ストーリーでは特に何かが起こるわけではなく

静かに穏やかに進んで、

物語が終わったその先に何かがある…何かが起こる…

そんな予感のする終わり方

物語のその先を想像できるような…

 

ただひとつ言えるのは

この本は読んだ後、読後感より

読んでいる時、読んでる最中の方が気もちいいし

穏やかになります。

 

 

お気に入りの場所で好きなおやつと飲み物と一緒に

読みたい…

.っていうか読み続けたい…

 

読み終わってしまうのがもったいないような気がしてしまう本でした

 

 

 

 

 

本バスめぐりん

 

 

 

刺繍で木や花やマンションや団地…

その中の道を走ってるバスが描かれた表紙が可愛い

 

 

本バスめぐりんfeat.フルーツwithアップルティー

 

 

 

公営の移動図書館を舞台に地域の高齢化や地方の過疎化等の問題を取り入れながら話が進みます

1話完結で5つの短編

 

 

話は登場人物も含め人情味あふれる話でまたある意味お仕事小説でもありちょっぴり謎解き要素も…

 

社会の問題をさり気なく取り入れながら、そこに住む人たちの人間模様を丁寧に描いてありドラマを観ているようでした

 

*「人生と同じように住宅地も晩年を迎えるのか…」

…と運転手さんがわびしく思う場面は考えさせられました。

*「これを私より先に借りた人はどこがおもしろかったのかな…とか あそこでビックリしたのかな…とか

本を読んでる時はもちろん、本を閉じていても誰かと繋がってるようで」

…ひとり暮らしのおばあちゃんのことばとか

 

移動図書館へ本を借りに来る人の事情や背景も含め楽しく読めました。

 

うちのまわりにもこんな移動図書館が来たら

間違いなく常連になるな…

 

 

映像化希望の小説です

 

 

ボールのようなことば

 

 

ボールのようなことば

糸井重里さんが「比較的若い世代」へ届けたいとうまれた ことばの結晶…

 

 

これね…

私は「比較的若い世代」ではないけれど充分楽しめたし、なんなら最近いつもバックに入ってる

 

 

 

これは文庫本だけど表紙もかなり素敵

 

他人を責めるわけでもなく、今の自分が今よりよくなるため…そして周りのみんながあたたかくなり穏やかになることばたち

 

*断る理由を上手く言えなくても断っていいんです。

「なぜだかわかりませんが、お断りします」と言っていいんです

そうでなかったら、うまく言えない気もちはなかったことにされてしまうから…

 

*「ありがとう」をおくりだす口もなかなかいいけど「ありがとう」を受け取る耳だってとってもいいもの 

*ひとりであることは孤独を意味しているわけではない。Only is  not  Lonely

 

 

この本はぜひ十代のうちに出会って欲しい

特に春 4月、5月不安を抱えた子どもたちや人たち…

きっと 時には心のよりどころになり

そして時にはそっと背中をを押してくれるはず…

 

「できないこと」は数えない

「できること」からひとつずつ…全部やる

 

わたしもがんばろっ

 

 

 

おしゃべりな部屋

 

くすみミントのような色のチェックの可愛い表紙

 

川村元気さん 近藤麻理恵さん…

片付けがお仕事の近藤麻理恵さんが実際に経験した事を川村元気さんが小説にしました。

中には絵本作家の大桃洋祐さんのイラスト入り

 

 

部屋や家の片付けを仕事にしている 物の声が聴こえてしまう主人公のミコ

7人の依頼人のケースを描いた短編集

ただの片付けだけじゃなく 片付けの背景にある人間関係や家族関係や家族形態

部屋もリビングだったりキッチンだったり書斎や子ども部屋、時にはクローゼットも…

 

様々な人間模様やなぜその部屋なのか…ということも丁寧に描かれていておもしろかったです。

 

「なぜ その服を買ったのか」←あるある

「そしてなぜそれを着なくなったのか」←もっとあるある

 

引越しを考えて日々片付けに頭を悩ませてる私…

この本を読んだら私も片付けでひとつの物語ができるかも…と思ってしまった

ちょっとチャレンジしてみよう

 

 

「うたう書斎」にでてきた床の上に積まれたままの本が歌うラップ

♬お前らはまだ本棚で役得!   俺はずっと床に置かれて孤独!  いつまで続くこの積ん読!

 

思わず吹き出して 自分の机の上に積んである本に

「もうすぐ読むからね」って一応声をかけてみた