寧々の本棚〜ねこのしっぽ*うさぎの耳〜

おうちでのんびりゆるっとブックカフェ

パパの電話を待ちながら

 

『パパの電話を待ちながら』 

ジャンニロダーリさん

イタリアを代表する児童文学作家さん

 

表紙は子どもが描いたようなポップでユーモラスで愉快でミステリアスで楽しい絵

 

パパは毎日仕事で忙しく、1週間のうち6日は仕事であちこち飛びまわってます。

そんなパパに娘が毎日寝る前にお話して…とお願いします。

パパはそれから毎日9時になると何処にいても娘に電話をかけてお話をしてあげます。

 

 

 

この本は読み聞かせにピッタリ…

読み聞かせっていうか

「何かお話して〜」って言われた時に

本も何もみないでチャチャっとお話してあげる感じ

 

ひとつひとつが短くて なんでもあり

鼻が突然逃げ出したり、小指サイズのおてんばな女の子の話だったり、雑誌からネズミが飛びだしたり…

大人がもつ常識なんて吹っ飛んでしまいそう…

 

これは読みながら

「あ〜…ここは子どもたちゲラゲラ笑うだろうな」

…って何度思ったことか…

ほんとにパパがその場で即興で作ったようなお話ばかり…

 

虹を作る機械があってもいいじゃん

おじいさんから借りたステッキが馬に変わってもいいじゃない…

楽しくてシュールでちょっぴり深い話も…

 

 

私も「何かお話して〜」って言われた時に

こんなふうにお話ができるようになれたらいいなぁ

 

 

これ お話を聞かせた後に 子どもたちに絵を描かせてみてもおもしろいかも…

子どもたちの無限の想像力できっとスゴく素敵な絵ができあがるよ

 

 

 

 

夜は待っている

 

…はぁ…

どうして人は「悪い所」はみえるのに

「いい所」は探さないとみつからないんだろう…

 

今回は 『夜は待っている』 糸井重里さん

 

糸井さんがウェブサイトに寄せた1年間分の原稿と

1年間のツイートの中から心に残ることばだけを

抜粋して本にする

「小さいことば」シリーズの6冊目

 

まずね…

表紙がすごく素敵

酒井駒子さんの絵と紙質にもこだわっていて

ちょっとザラっとした和紙っぽい手触りにあたたか味を感じます。

小口は藍色に染まっていて酒井駒子さんの絵と紙質、小口の色…これだけでインテリアのよう…

 

 

糸井さんが日々思ったこと、考えたこと、感じたことを綴ったもので、ほんとに何気ない毎日の風景を

この人が呟くと心に刺さったり、心が喜んだり、あたたかくなったり…

日記にも残らないような今日一日だったけど

意外と充実してるかも…と思えたり…

 

*「自己肯定力」はつまり「わたし」が生きていることを「いい!」と思える力

「自己肯定力」は他者への否定ではない。あなたにぼくにもっと大きな自己肯定力を…

 

*くらべる事をちょっと休んでみる。あっちの人はいけないとかそっちの人は贅沢すぎるとか、あっちの人の方が頑張ってるとか…くらべることでいいことなんてあるのかな…くらべなくたって何でもできるはず…

 

とっても優しいことばで表現されてるので知らないうちに心にはいってきて、

気づくと少し顔をあげてつま先を前に向けたくなるような…そんな気もちになります。

 

先日 友達にもプレゼントしました。

 

この小さいことばシリーズはどれも表紙が素敵だし

シリーズで揃えたい本です。

 

 

 

 

人生最後のご馳走

 

 

ため息ひとつで幸せもひとつ逃げるって誰かが言ってたけど…

ため息まで我慢したら窒息してしまうんだが、、、

 

 

 

さて

今回の本はこちら

 

『人生最後のご馳走』

 

淀川キリスト教病院ホスピス病棟

この病院では週に一度 好きな物、食べたい物をリクエストできる リクエスト食という取り組みを行なっています。

この病院 以前 好きな番組「サラメシ」で

やってた病院

 

ここのホスピスの患者さんの平均在院日数は約三週間

その患者さんが自分の食べたいものをリクエストするんだけど…そのメニューを選んだのには理由があって食にまつわるエピソード、思い出があって…

ほんとにたくさんの思い出たちが料理とセットになってて…

 

ホスピスの患者さんは今日は食べられても明日は食べられないかもしれない…

リクエスト食を作ってる途中でキャンセルになることも…

 

この本はね、食以外にも考えさせられることがたくさん…

胸の奥の奥がキューってなるような場面も…

 

 

*自分がしっかり食べられることが自信につながり、逆に普段の食事でも残してしまうと自信を失ってしまう。完食できるよう 今食べられる量をみることも大切。

*あとは食事は美味しくなかったら栄養にならない

ホスピス以外の医師は治ることに価値をおくけれど(もちろんのこと)命には限りがあり治療できないことが終わりと考えてしまうと患者さんたちは見捨てられたような気がしてしまう。今の痛みをとることも大切だけどこれまでの人生で抱えてきた痛みも知ってお世話することがもっと大切

 

 

こういう現場で患者さんのために 身体と心をめいっぱい使って働いてみえる方々を心から尊敬します

 

生きることは食べること

食べることは生きること

 

 

わたしが最後に食べたいのは何かなぁ…

おにぎり…かな

 

みなさんは何ですか…

 

 

春のオルガン

 

春休みのお話なので、春休み中にアップしたかったけど…

間に合わなかった…

 

 

子どもの頃…特に小学校高学年から中学校のあたり…

家族じゃない大人、父親、母親以外の大人に

何かを話したくなる…

そんなことありませんでしたか?

 

…わたし これめっちゃわかる…

 

…というわけで

『春のオルガン』 湯本香樹実

 

 

 

お互い違う方を向いてる男の子?と女の子

足元でごはんを食べてるのは野良ネコかな…

物語性のある表紙

 

小学校を卒業したトモミ(私)は春休みにおきる学校ではなく社会との関わり、知らない大人達との出会い、自分の弟との関係。

少しずつ心も身体も大人になっていくのを弟と比べて感じているトモミ

ずっと心がモヤモヤしてる、そのモヤモヤの原因は

おばあちゃんの死であって、病気でひどく苦しむおばあちゃんをみてトモミが思ったこと…

それが一種のできもののようにトモミの心に住みついていた。

プチ家出、なかなか帰って来ないお父さん、仕事ばかりのお母さん、弟のテツ、ネコおばさん、亡くなったおばあちゃん、いつも一緒にいるおじいちゃん、隣の家のおじいさん、野良ネコたち、ゴミ捨て場のバス、小学校の担任だった先生…他にも…

出てくる人みんな印象に残る

どれが欠けてもこの春休みはなりたたない。

 

ほんとにつきなみだけど 女の子の揺れ動く心の描写が素晴らしい作品。

 

表紙の絵

手前がトモミで奥が弟のテツなのね

 

この絵もスゴくすか

 

なんか…

そうそう…春ってこうだったよな…

そんなふうに昔を思い出させてくれるお話でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしのぬいぐるみさん

突然ですが…

ぬいぐるみ 好きですか?

私は好きです、自分で作ったりもします。

今回はそんな ぬいぐるみを命の存在として愛してやまない人たちのお話を実際に作者の 「こやまこいこ」さんが取材をされて、想像をふくらませて描かれた14のお話がつまった本

 

 

 

 

『わたしのぬいぐるみさん

 

誰かにとってかけがえのない存在になっている

ぬいぐるみたち。

そのぬいぐるみを治療して治してくれる

ぬいぐるみ病院

 

 

どうして こやまさんの絵とことばは

こんなにも心に沁みるんだ…

悲しくないのに涙が…

大人がぬいぐるみと暮らしたっていいじゃん

 

*さみしい気もちを抱えたまま暮らしていくのは苦しい。心のよりどころとなるものがあれば何でもよかったのかもしれません。だましだましでも時間が過ぎることで少しずつ日常に戻っていきました。

 

*わたしにとってはなちゃんは特別なぬいぐるみだからちゃんと紹介したいけどいつもなんとなく言えずにいました。

 

*自分の好きをそのままに人生をぬいぐるみと歩んでる人たちがいる。ぬいぐるみに見守ってもらいながら現実と向き合っている。

 

まるで自分の話をみてるようでした。

ぬいぐるみを命の存在として大切に思う人の心も大切にしてくれる。どんな症状でも寄り添ってどうすればいいか一緒になって考えてくれる場所

それがぬいぐるみ病院

 

 

私にとってぬいぐるみは何でも受け止めてくれる

かけがえのない存在…

嬉しい時も楽しい時も…消えたくなるほど辛い時も…

ただただ黙って一緒にいてくれる

 

こやまさんの優しい絵とあたたかい言葉たち

…なんだろう…

すーーーっと息を吐くような世界

ふと気がつくと涙がでていたり

心があたたかく軽くなっていくのがわかる

 

 

枕元にぬいぐるみと一緒に置いて

寝るまえに読みたい1冊

ずっと大切にしたいです

 

 

 

 

 

 

子どもの頃に読んだ本って覚えてますか?『小公女たちのしあわせレシピ』

子どもの頃に読んだ本って覚えてますか?

私は母親が本好きだったこともあって

小さい頃から家には本がたくさんありました。

暇さえあれば本を読んでいたような…

小公女、あしながおじさん赤毛のアン秘密の花園

このあたりの名作は殆ど読みました。

 

 

 

 

 

今回 この『小公女たちのしあわせレシピ』

を読んで子どもの頃の記憶が少し蘇り…

そういえばあの頃、本にでてくる主人公は殆ど両親がいなくて、辛い思いもするけれど素敵な未来が待っていて…

なんでうちは両親がいるんだろう…と不謹慎な気もちを抱いたことを思い出しました。

 

 

 

 

 

『小公女たちのしあわせレシピ』

    feat.千葉のざくざくあらピーwith桜緑茶

 

ちょっとくすんだピンクの表紙が素敵。

 

多くの謎を残したまま亡くなった不思議な老女メアリさん。彼女が遺した児童文学書にはさまれたお菓子のレシピメモ。

本探しとお菓子作り、少しずつ解けていく謎

 

 

全体を通して 名言が多かった印象。

登場人物それぞれが抱える傷や後悔にメアリさんが遺した本とレシピが寄り添って心の傷を癒してくれる。

 

*かつては人並みに生きていれば人並みのものは得られると…よほど高望みをしなければ努力次第で報われると思っていたけど、気がつけばごくありふれた望みさえ手に入らなくなってる。

*記憶はやっかいだ。つぐみはこの家のことも家族のことも隅々まで知ってるつもりだったけど離れている間に家も家族も変わる。もうすぐ家はリフォームされる、つぐみの知らない場所になる。記憶があるからもの悲しい。

 

大人になって現実のからくりなんてわかってるはず。

年月は容赦なく過ぎてあの日あの時つかみ損ねたものはどんどん遠ざかっていく。

あの日あの時には戻ってやり直すことはできないけど、今ここから始めることはできるはず…

そんな気もちになりました。

 

一種の謎解きのようで海外児童文学と結びつけて楽しく読めました。

 

いつかここにでてくるお菓子たちを作ってみんなでお茶会を開きたいな

…あ、まずその『みんな』がいないわ(笑)

 

 

 

 

咲ク・ララ・ファミリア

 

今年1月1日 あんなに酷いことをした自然が

今 桜を咲かせて人を喜ばせてる…

…自然ってなんだろう…怖いね

人間の力なんかじゃどうにもできないんだね…

 

 

 

今回の本は

『咲ク・ララ・ファミリア

 

これね…完全にタイトル買い…

本を選ぶ時 基準は自分の『好き』が入ってることなんだけど、誰かのオススメだったりジャケ買いだったり、帯買いタイトル買いとか…

 

これはタイトルみた瞬間「ん?」ってなって

読んでみました。

『咲ク・ララ・ファミリア

        feat.桜バウムwith桜ラテ

62歳になる父親から突然聞かされた再婚話をきっかけに四姉妹が集まることに…

母親が出て行ってから早々に結婚して家をでた長女

代わりに家族を支え続けた次女

引きこもりの三女

お調子者の四女

…と父親とそのフィアンセ

 

「うんうん…そうだよな…」と

「いやいやいや…」が入り混じりながら読みました。

家族がベースでそれぞれの視点から話が描かれていて

この中で私だったらどれだろう…なんて思いながら

 

…でも、ある意味 自分に正直で誰かの妻や誰かの母親みたいな生き方ではない母親はスゴく羨ましいと思って…

 

みんな家族っていっても 一緒にいて楽しいな…大切だな…っていう気もちと

ちょっと面倒くさっ…時にはウザっていうのもあって

 

違う人間の集まりだし意外と厄介で、お互いちゃんと知ってるつもりでも実はその本性はわかってないこともある…またその逆も…

 

 

私の家族も きっとそう…

 

 

タイトル買いの本だったけどスゴく面白かった。

密かに映像化希望(笑)