書店主フィクリーのものがたり
『書店主フィクリーのものがたり』
島に一軒だけある小さな書店 アイランドブックスが舞台
この店の 妻を亡くした偏屈な店主フィクリー
店の前に捨てられてた小さな子ども(後にフィクリーの子どもとなる)マヤ
町の警察署長 フィクリーの義理の姉
出版社の営業の女性…など
書店と本と島の住人たちの物語
作中に様々な本がでてくる
特に各章のタイトルが作品名になっていて
はじめにフィクリーのコメントと共にのっている
登場人物たちが時々吐くセリフもグッとくるものが多く…
本にはあまり縁のなかった警察署長が
「本屋はまっとうな人間をひきつける。俺は本について話すのが好きだ。俺は紙の感触が好きだ。ズボンの尻ポケットに入ってる本の感触が好きだ。新しい本の匂いも好きなんだ…」
署長…私めっちゃ署長と話が合うわ
フィクリーが育児の経験があるかどうかたずねられた時にフィクリーが言った
「専門はエドガーアランポーの「アッシャー家の崩壊」は 子どもをこう扱ってはいけないという格好の専門書にはなりますね」
という言葉
読んでて思わずニヤけました
本への愛情が山のように詰まった1冊
それぞれの登場人物に結構過酷な運命や悲劇があるけれど それをあまり感じさせないのは文章スタイルのせいなのかな…
セリフの返しもそうだけどセンスがよく
外国人作家さんならではの文かな
とにかく本が好きな人本を愛している全ての人に
贈りたい一冊
ここにでてきた作品やフィクリーのオススメの作品を全部読んでみたい
「その人を知るにはその人が何の本が好きか訊けばわかる」とフィクリーの持論だけど
それを読めばフィクリーのことがもっとわかるかも…
最終章もまるで映画のワンシーンのよう…
あぁ… 語り足りない、、、